入園式とお花のパーティーのあいさつから – Web教育学級 2

Web教育学級

入園式のあいさつから

鷲宮保育園園長 竹下成子

平成14年4月

船を作るのに一番難しいのは大嵐に遭って横波を食らって転覆しそうになっても元の在り方に戻る「復元力」をどう作るかということを聞いておりますが、人間教育という仕事はこの元に戻る力、人間の復元力をつけることではないでしょうか。

東井義雄(とおいよしお)著 「母のいのち子のいのち」探求社より

これは最近手にした本で出会った言葉です。(著者はペスタロッチ賞平和文化賞受賞・教育者・故人)
船体を大きくしたりカラフルにペンキを塗ったり船内を豪華に飾りたてるのは簡単だが、復元力を作るのは難しい。
それでは人の復元力を育てるときはいつで、それを育てる人は誰でしょう。
東井先生は生まれて幼い時期に育った環境や条件や母親がこの力を養うのに大きく関与すると述べています。

かけがえのない乳幼児期の成長にかかわる私たち、保育者・ご家庭(特にお母さん)は子供たちの平坦ならない人生の道のりの中で、この大切な復元力

挫折やつまずきを克服できる力

を養える存在としてどれだけ役に立つことができるでしょうか。

2-1保育や子育ての原点を考えさせられる言葉として重く受け止めた次第です。
そして新年度をスタートさせるにあたり、園とご家庭、保育者とご両親は人間の基盤を養う大切な乳幼児期の成長にかかわる者としての役割の重さを改めて銘記したいと思いました。折しも催された本日のこの機会が、園とご家庭が少しでもお子様についての理解を深めて、よりよい一年間の成長のためにお役に立てる縁となりますように祈願いたしております。

思えば子供たちのあまりにも便利な物の豊かな暮らし。自動車の送迎。つい与えてしまうたくさんのおもちゃ。暖衣飽食。
一方、核家族、少子化、交通事情の悪化で近隣や地域親戚など人間関係が希薄になっている暮らし、お忙しい両親。友だちと一緒になかなか自然の中で遊べない・・・など子育ての条件や環境はなかなか厳しい現実です。

新聞紙上では青少年が人生の大嵐に飲み込まれてしまったり飲み込まれそうになった、胸の痛くなる悲しい自体が報道されないことはありません。いじめや暴走、万引き、シンナーなどの誘惑、成績が振るわなかったり。必ず襲うであろう人生の大波大嵐。

目の前のこのかわいい子供たちに将来どんな事態が訪れても必ず自分を見失わない力、自分を取り戻す力(復元力)を持たせたいと切に思います。そのために最も重要な前提条件はお母さんはじめ家族や保育者に暖かい愛情に包まれた暮らしです。人に愛されて初めて自分を信じ、他人を愛する心が生まれます。自分を大切に思う心は生きる力の基本です。どのような環境でどのような経験ができたかも基本に加わる重要な要件です。幸い良い鷲宮保育園は恵まれた環境にあります。
周囲はまだまだ自然も豊かで広々とした運動公園に隣接している。交通事故や騒音の心配もありません。地域の皆様も園の方針を理解して様々な機会に園を訪れ、子供たちと交流をしていただいています。この恵まれた環境の中で登園独自の保育方針とカリキュラムに基づいて子供たちは生活しています。

  • 同年齢はもとより異年齢のお友達と一緒に遊びながら学んだり気持ちを分け合ったり、いたわったりするくらし
  • 季節の様々な遊びや飼育・栽培やお当番活動を通して季節を体で感じ感性を養ったり伝統や協調する姿勢を学ぶくらし
  • できるだけお年寄りや世代の異なる地域の皆様、担任に限らない大勢の職員との触れ合いを大切にして豊かな社会性を身につけるくらし
  • 読み聞かせや言葉がけを大切にして優しく繊細な豊かな言葉を育てるくらし

など実際の経験や感動を重視した暮らしを営んでいるところです。

職員一同心を合わせて日々の暮らし手抜きをしないで子供たちと向き合い丁寧に営みたい。樹木にたとえれば根っこを太らせる暮らしを通して見えない力を培いたいと念願しています。

とは申しましても本当の「復元力」を養うにはまだまだ及ばない面、気づかない面もいろいろあるかと思います。園とご家庭は神聖で崇高な子育てにかかわるものとしてお互いに啓発しあいまた手を携えたいと思います。
子供たちの「復元力」を養えるように子育てのベストパートナーであるようお願い申し上げてご挨拶に代えさせていただきます。

 

進級入園を祝うお花のパーティのあいさつから

鷲宮保育園園長 竹下成子

平成14年6月

一人一人の幼児は其の銘々の母の膝下(しっか)から、あなたのところへ来たのである。そして今日からはあなたと母親と二つの愛の下に、一日の半分ずつを過ごすのである。
どんな心持ちで母の膝下からきたかを理解すること無しに、なんで適切な迎え方を出来ようぞ。 中略 家庭と園は不離の関係において、生きた協力の実をあげなければならない。

倉橋惣三 明治十五年生まれ
日本幼児教育の草分け・教育を人間存在そのものから思索した。
倉橋惣三全集第五巻幼稚園雑草新入園児を迎えてより

木々の緑も一段と深まりました。万物の成長著しい今日このごろでございます。
本日は保育参観並びにクラス懇談会のご案内を申し上げましたところ保護者の皆様にはお忙しい中をご来園いただきましてありがとうございます。

2-2春は出会いと別れの季節と申します。お子様は新しい人と環境の中で既に二ヶ月が経過いたしました。御家族の皆様の励ましと合わせてお友達同士の自由なお庭での遊び、草摘み、野外ランチやむさしの村遠足などの好季節ならではの経験をしながら、このごろはすっかりくつろいだ表情を見せてくれるようになりました。

折しも催されたこの機会が園とご家庭が少しでもお子様についての理解を深めて、よりよい一年間の成長のためにお役に立てる縁となりますように念願いたしております。

  • 毎日健康でけがや病気もなく元気にのびのび暮らせますように
  • 毎日喜んで園に通えますように
  • 友達と仲良く遊べますように
  • 思いやりやいたわりの心、真っ直ぐな正しい気持ち、がまん強さ、感動する心など豊かな情緒が育っていきますように
  • 自然や社会に興味や関心を寄せて知性や社会性が育ちますように

など、お子様の健やかな成長にかけるご両親の期待は全くそのまま私たちの願いでもあります。
お互いにしっかりと手を取り合ってスクラムを組んでこれからの暮らしを営みながら必ずこれらの願いを現実の子供の姿に変えていきたいと思います。