埼玉地方のトンボ – Web教育学級 3

Web教育学級

退職公務員連盟 北葛支部総合記念講話資料より 長須房次郎

平成14年6月

1.トンボの種類

  • 全国 200種(含亜種)
  • 内訳 [3亜種14科84属184種16亜種]
  • 埼玉県 11科90種が記録されている。
  • 埼玉のトンボ類(1978年)カワトンボを1種として83種記録
    ヒヌマイトンボ (1980 三郷市)
    ムスジイトトンボ  (1981 春日部市)
    マダラヤンマ (1987 秩父市)
    オオルリボシヤンマ (1988 皆野町)
    オオギンヤンマ  (1991 北本市)
    オゼイトトンボ (1993 皆野町)
    タイリクアキアカネ (1997 入間市)

埼玉県レッドリスト

トンボ目 90種のうち34種37.8%昆虫の中ではもっとも割合が多い。

  • 脊椎動物 482種のうち199種 41.3%
  • 無脊椎動物 9734種のうち5109種 5.2%
  • 全体 10216種のうち709種 6.9%
絶滅 3 コバネアオイトトンボ・ ベッコウトンボ・ハッチョウトンボ
絶滅危惧Ⅰ類 12 ホソミイトトンボ・ オオセスジイトトンボ・ベニイトトンボ・ オゼイトトンボ・
ヒヌマイトトンボ・ オオモノサシトンボ・メガネサナエ・ トラフトンボ・
キイロヤマトンボ・ ハネビロエゾトンボ・エゾトンボ・ オオキトンボ
絶滅危惧Ⅱ類 2 ホンサナエ・ オオルリボシヤンマ
準絶滅危惧 14 モートンイトトンボ・ アオハダトンボ・ムカシトンボ・ ムカシヤンマ・
キイロサナエ・ ナゴヤサナエ・ルリボシヤンマ・ ネアカヨシヤンマ・
アオヤンマ・ アルタンヤンマ・サラサヤンマ・ ヨツボシトンボ・
キトンボ・ ヒメアカネ
情報不足 2 ムスジイトトンボ・ マダラヤンマ
絶滅のおそれのある
地域個体群
1  ヒガシカワトンボ

1990年代で85種確認されている最後の記録年・記録地

1.ホソミイトトンボ 1975 横瀬町
2.コバネアオイトトンボ 1963 幸手市
3.メガネサナエ 1963 幸手市
4.ベッコウトンボ 1964 大宮、川越、羽生
5.ハッチョウトンボ 1974 熊谷

1990年代に再発見された種

1.オオセスジイトトンボ 1964、1994 久喜市(旧鷲宮町)
2.キイロサナエ 1978、1994 東松山市
3.キイロヤマトンボ 1978、1994 東松山市
4.トラフトンボ 1977、1995 北本市

東部地方(中川水系流域)約60種の記録がある。しかし、1986年以降に確認されているのは約40種である。

3-1夕焼小焼の赤とんぼ おわれて見たのはいつの日か
山の畑の桑の実を 小籠に摘んだはまぼろしか
十五で姐やは嫁に行き お里のたよりも絶えはてた
夕焼小焼の赤とんぼ とまっているよ竿の先

作詞 三木露風(1889-1964)作曲 山田耕筰(1886-1965)

2.トンボの分類トンボ目(蜻蛉目)

  • 均翅(きんし)亜種(前翅と後翅の形がほぼ同じ形をしており、腹部も細身で全体的にスマートな形をしている)
    イトトンボ科 モノサシトンボ科 アオイトトンボ科 カワトンボ科
  • ムカシトンボ亜目
    ムカシトンボ科(日本には1種)
  • 不均翅亜目
    トンボ科 ヤマトンボ科 エゾトンボ科 オニヤンマ科
    ヤンマ科 サナエトンボ科 ムカシヤンマ科

3.トンボ幼虫(ヤゴ)の生息環境

トンボの生活史

卵 > 幼虫(ヤゴ)> 成虫
トンボの幼虫は種によってほぼ一定の水域(環境)に限って生息する傾向が強く2タイプに大別される。

  1. 止水(静水)域に生息する種類
    池沼、溜め池、人工的水域、湿地や湿原、休耕田
    池沼 イトトンボ類、コシアキトンボ
    湿地 ハッチョウトンボ、サラサヤンマ
  2. 流水域に生息する種類
    渓流 ムカシトンボ、ヒメサナエ
    ゆるやかな流れ(川底が砂地) ナゴヤサナエ、アオハダトンボ
    山道の湿った所に穴を掘って潜む ムカシヤンマ

幼虫(ヤゴ)の生活

  • 卵の期間
    種類によって決まっている
    例 ウスバキトンボ 4~5日
    アオイトトンボ 7月
  • 水中の生活の様子 えら呼吸
    ・水草につかまっているもの ギンヤンマ、イトトンボ
    ・川底や池沼の泥底の表面に住むもの シオカラトンボ、アカトンボ
    ・池沼の底の泥の中にいるもの オニヤンマ、サナエトンボ
  • 食べ物
    ・小さいうちはミジンコ、ボウフラ、イトミミズ等
    ・水生昆虫、ミミズなどの動物
    ・ヤンマはオタマジャクシやメダカも食べる
  • 幼虫(ヤゴ)の期間
    ・普通は一年以内(9~14齢)最後は終齢幼虫
    ・ムカシトンボは5~8年
    ・ウスバキトンボ 約七週間
    ・オニヤンマ 五年
  • 幼虫(ヤゴ)の羽化
    ・完全に成熟した幼虫
    水中から出て植物の茎、枯枝、小石などにしっかりついて羽化し、成虫になる。
    ・羽化の時間
    暗い時間、夜中または朝方(敵に見つかりにくい)
    ※サナエトンボ科は昼間羽化する。例 ナゴヤサナエ
    ・傾垂型 2~4時間
    トンボ科(アキアカネ)、カワトンボ科、ヤンマ科、ムカシトンボ科 壁を登るような姿勢で静止
    ・直立型 40~90分
    サナエトンボ科、ムカシヤンマ科 地面に這うような姿勢で静止

4.埼玉県東部地方のトンボの概要

  1. 記録はあるが現在は見られない種類
    モートンイトトンボ*、オオセスジイトトンボ*、ホンサナエ、キイロサナエ、コサナエ*、ダビドサナエ、トラフトンボ*、キイロヤマトンボ、コヤマトンボ、ベッコウトンボ*、オオキトンボ*(11種)
    「*」マークの種は幼虫が止水(静水)域に生息する種類 – 以下同様
  2. 絶滅危惧種(RDB さいたまレッドデータブックは改訂埼玉県レッドデータブック2002動物編)で現在も生息が確認されている種類
    ベニイトトンボ*、ヒヌマイトトンボ、オオモノサシトンボ*、ナゴヤサナエ、アオヤンマ*
  3. 特定の地域で見られる種類
    ホソミオツネトンボ*、アオモンイトトンボ*、オオモノサシトンボ*、アオイトトンボ*、オオアオイトトンボ*、ウチワヤンマ*、ヤブ*、ヤンマ*、オオヤマトンボ*、ショウジョウトンボ*、マユタテアカネ*、マイコアカネ*、リスアカネ*、チョウトンボ*(13種)
  4. 普通に見られる種類
    アジアイトトンボ*、クロイトトンボ*、オオイトトンボ*、ハグロトンボ、カトリヤンマ*、ハラビロトンボ*、シオカラトンボ*、コフキトンボ*、アキアカネ*、ナツアカネ*、ノシメトンボ*、コシアキトンボ*、ウスバキトンボ*(13種)
    ヒヌマイトトンボ
    河口部の干潮時でも干上がらない泥深いヨシ原や海岸沿いのヨシやオギ・マコモなどの植物が密生する。 汽水域のヘドロが堆積した湿地や沼などに生息する。最初の発見地は茨城県涸沼(ひぬま)
  5. アカトンボの仲間について
    埼玉県で記録されているアカトンボの仲間(Sympertrum属)は12種類あり、そのうち東部地方には7種の記録がある。
    現在普通に見られるのは アキアカネ*、ナツアカネ*、ノシメトンボ*、マイコアカネ*の4種でマユタテアカネ*、リスアカネ*の2種の産地は限局される。
    ・アキアカネの一生について
  6. 成虫で越冬するトンボ類
    ・ホソミオツネントンボの一生
  7. トンボ類減少の要因
    ・開発に伴う池沼や湿地の埋め立て
    ・農薬使用・生活雑排水等による水質汚染
    ・多量の釣りえさによる水質悪化
    ・肉食外来魚の移入によるヤゴの補食
    ・河川改修、用排水路の三面護岸による植物群落の除去
  8. かえってきたトンボたち
    ・ハグロトンボ
    ・ナゴヤサナエ
  9. おわりに

    3-2蜻蛉釣り 今日はどこまで行ったやら

    加賀の千代女(1703-1775)
    繊細で理知的な作風16~17才で俳句を学ぶ。
    「千代尼句集」「松の声」
    結婚したかどうか?
    50歳前後にして剃髪して素園 千代尼・千代