俳句・短歌 令和3年の作品

薫藤園ご利用者・ご家族、職員の俳句・短歌作品です。(順不同・敬称略)

令和3年の作品

令和2年秋冬~3年春の作品

何事もなく日の暮るる白牡丹
空豆を剥ききげんよき夫のこと
平飼ひの鶏の抜き足柿の花

柴崎 加代子

背丈伸びのっぽになりし夏蓬
風薫る庭に舞ひ来る白き蝶
紫の色は貴婦人山の藤

道給 㐂仙

対岸と競ひ合ふかに行々子
代搔を終へし田面に昼の月
寝返りのたびに落ちたる夏ぶとん

高鳥 洋子

ふるさとの橋のたもとの桐の花
濯ぎ物干す花みかん匂ふなか
金色の包み新茶の届きけり

今成 公江

客待ちの路地の理髪や春うらら
思い出の残る器に新茶かな
春光や化粧直しのビルディング

長瀬 三男

山里や雪解け水の走り行く
蕗味噌の香りただよう厨かな
春寒し湯たんぽ抱え朝寝坊

長澤 利江

長雨の晴れし軒端や柿若葉
矢車のきしみて古き幟かな
掛茶屋のそば搔うまし懐古園

小礒 和歌子

水郷の青葉に染まる憩い人
降りそうな空に明るき鉄線花
揚雲雀関東平野のど真ん中

西田 光子

土ぬくし畑に人増す日和かな
見上ぐるも見下ろすも良し山つつじ
特養の窓に広がる代田かな

野村 節子

根雪とけ飛沫とけいる黒部川
 吾も旅人トロッコの上

孫達の写真を掲げ並ぶ部屋
 ここにも老の幸せ有りて

特養の職員清き心情に
 コロナ禍今日も無事にあけゆく

野村 節子

コロナ禍の家族と会えぬ日々続く
 テレビ電話に笑顔の戻り

大広間職員総出の桜花
 園内花見に歓声あげる

起床して必ず富士山確認し
 両手合わせて一日始まる

大塚 洋子